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[コメント] 何がジェーンに起こったか?(1962/米)

2人のキャラクターの描き方、ビジュアル面の押し出しの強さ(ジェーンだけでなくブランチも)は見事。だが、細かいところに興を削ぐ演出がチラホラ。
irodori

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







例えば、冒頭近くの幼いジェーンの過剰な我がままっぷりや、ジェーンが電話でブランチになりすます箇所がわかりやすく吹き替えだったり。

とはいえ、2人のキャラクターの善悪の描き方が絶妙なため、最初に観ると、ジェーンのビジュアルと挙動に圧倒されてブランチに同情する立場寄りになりがちだが、2度目以降に観ると、ラストのジェーンの印象が強く脳裏に焼きついているうえ、むしろブランチのジェーンを呼び鈴で呼ぶ執拗さや、ビシっと引いた眉の主張の強さに圧倒されることもあり、ジェーンの立場寄りで観てしまうなど、違った楽しみを与えてくれる作品ではあった。

映像面では、ラストのビーチシーンが白眉なのはもちろんのこと、室内では階段がお手本のように上手く使われていたり、ジェーンが大型のリンカーンを運転する姿が様になっていたりと、見るべきポイントは多い。

余談だが、ジェーンに約束をすっぽかされたエドウィンがGSから電話するシーンで、これみよがしに、ビルボードの広告が映される。 日本語字幕が出ていなくて1度では理解できず、気になって観返してみたら

FOR UNDERTAKING UTTER McKINLEY UNDERSTANDS

FROM $100

とあり、これは Utter McKINLEY という変わった名前の葬儀屋(今も実在する!)の広告で 「葬儀のことなら、Utter McKINLEY にお任せを」のような意味だった。 金額が$100からっていうのが、ちょうどエドウィンが週にジェーンからもえらる報酬と一緒というのと、ジェーンがエルヴァイラを殺したことをほのめかしているのだろう。

(評価:★3)

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