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[コメント] エリジウム(2013/米)

オープニングクレジット、タイトルクレジット、エンドクレジット、いずれにおいても「横三本線」の「E」。「縦線」を欠いたそれは、この世は不完全なものだらけという寓意なのだろうか?
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







シャーロック・ホームズの短編の一つ「踊る人形」というのがあったが、それによると英語の文章の中で最もよく使われるアルファベットは「E」だそうな。それだけに「横三本線」はうっとうしいほどに目につく。

理想郷「エリジウム」は、地球というものを踏み台にしてなければ成り立たない。

万能の医療機器はあっても、その中に入る前に死ねば役に立たない。

少女を救ったヒーローは、その命を失う。

ではラスト。すべての人々に開かれた万能の医療機器はどうなのか。物語の冒頭、地球の荒廃の一つの要因に人口過剰がうたわれた。万能の医療機器は、その人口過剰に拍車をかけるのではないか?

だが不完全だからこそ、人は完全を目指して新しいところへ向かうし、何かを生み出していくのだろう。

そんなことを考えさせる本作は、SFとして第一級品であると思う。

(評価:★5)

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