えーと、『秋日和』から始まって、『秋刀魚の味』『父ありき』『東京暮色』『東京物語』『晩春』…ですか？…まだあったかな？

とにかく、パロディをやるならもっと完成度の高いものでないと、とても見られるものにはならない。単にセリフを棒読みさせるとか、画面の中の人物に同じ動きをさせるだけではダメで、オリジナルを超えるくらいの意気込みでやってもらわないと困る。しかし小津作品が元ネタでそんなことができると、周防正行監督は本当に考えていたのだろうか。まさかな。

だいたい、これはピンク映画なのだから、ピンク映画としての本分を全うするのが第一なのではないか？　こんな一部の人間にしかツボが分からない作品でピンク映画になると、監督は思っていたのだろうか。なのかもな。

この手の映画は映画サークルの中なり自主製作なりでやっていただきたい。まかり間違ってもこれで金を取るなんてのは映画興業の道義に反している。

蓮實重彦がいくら絶賛しても、オレは認めんぞ。

…ただし、観る人が観れば確かに可笑しい。それが問題だ。