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[コメント] 愛の亡霊(1978/日=仏)

生きている者の想いを手繰り寄せれば、その想いを理解できぬことはない。だが死者に辛く当たろうと懇願してみようと、その真の想いに辿りつくことはできない。男は妻が憎かったのか、愛し続けていたのか。妻がああなることを男は望んでいたのか。全ては現世に生きる者たちの勝手な解釈で量られる。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







死んだ男は妻や愛する者の前だけに現われる。そして、妻たちをときにはいたわったりする。その限りのない包容力。だが、最後に妻が愛人と男の死体を古井戸から移動させようとした時、男は優しい顔のままでふたりの頭上から、今までおのれが被ってきた落葉を降らせる。その心のうちはなんだったのだろう。

そして、妻の両の眼を貫いたものは何だったのだろう。あれもまた男のなにかの想いを体現していたのだろうか?

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] 寒山拾得[*] ぽんしゅう[*]

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