コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 私の男(2013/日)

激しく家族を希求しながらも、絶対に家族になり得ない「愛」を生きざるを得ない者たち。この二重に否定された関係が紡ぎだす、おぞましくもピュアな「愛」は内へ内へと閉じこもるほどに濃密さを増し、他者を寄せ付けない迫力をはらむ。稀代まれな反・家族映画。
ぽんしゅう

愛人関係が生きる(=存在する)ための共闘関係に発展していった成瀬巳喜男の『浮雲』のゆき子(高峰秀子)と富岡(森雅之)を思い出していた。家族関係を無条件に礼賛する小さな映画が全盛のなかにあって、たまに飛び出すこの手の「のっぴきならない不道徳」さは、近寄りがたい神々しさを放つ。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)pori[*] 寒山拾得[*] 天河屋 セント[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。