[コメント] インターステラー(2014/米)
マーフィーの法則=起こりうることは起こるー転じて、「起こりうることは起こす」。そのままノーランの映画製作の矜持なのだろう。作劇にも演出にもこの哲学が最大限・確信的に息づいている。キュアロンの『Gravity』もそうであったように、「重力」は軛でありながらそれを越える「意志」でもある。そしてアクションに意志が漲る。もう激しく好み。この情感がハッタリなら、僕は頭を丸めて映画を観ることをやめる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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速度感、質量感、距離間がいい。情感と紐付いたこれらの要素がいかに掘り下げられるかは少なくとも僕には極めて重要な映画の要件。これは「重力」の物語なのだから当たり前といえば当たり前なのだが、ここまで偏執的に彫り込めるのは凄いと思う。『ダークナイト』等に見られるガジェット群の実在感も深化して、ガルガンチュア周縁部でのステーションの回転を捉える遠景と速度、テケテケ走るTARSに陶然となった。何より5次元空間のもどかしく狂おしい質量感。
ベタで何が悪い。正直、僕は神のための映画など観たくはないのである。「彼ら」が「人間自身」であった、という結末も「意志」の物語として激しく高得点なのだ。グッジョブなのである(『ダークナイトライジング』で転けてたジマーが江戸の仇を長崎で討っている。ジマーにも小さくガッツポーズ。マジで燃えるのである)。
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