広大なアジトの岩場には、色白の気味悪い奴隷達が何百人と属していて、その下には何万人もいそうな乞食共が、滝から流れる大量の水の奪い合いが行われ、その上ではジョーがミルク専用機の女性の横でその様子を見ているという、笑っちゃうほどの凶器の世界にやられました。全長30mはありそうなドス黒いタンクローリーや、原型が解らないほどの改造車がこれでもか！と出てきます。あと、スピーカーが何十器も搭載した車にネックから炎が出るギターを「ギュインギュイン！」演奏する奴もいたり（コイツが相当カッコイイ！）、兵士を鼓舞する太鼓隊までいて無駄に豪華な感じもかなりクレイジーなんです。ハリネズミのような凶悪車が出てきた時にはあまりのキチガイっぷりに感動してしまった。エイリアンのデザインがアートで評価されてるなら、この映画に出てくる悪意に満ちた世界観も評価されるべきだろうと思いました。岩場に彫られたガイコツはキュートで可愛かったですけど。

正直どこをつまんで語ればいいのか分からない程、前編クライマックス感がある映画でした。イモータン・ジョーの部下フュリオサ（女性）が、20代の健康的な美女5人？とガソリンを大量に積んだタンクローリーを盗み、緑の地へ行くというのが大まかなストーリーですが、イモータン・ジョーのアジトの狂乱っぷりをこれでもか！と最初で強烈に描いてたので、あんな連中から絶対に簡単に抜け出せない恐怖感が、観てる僕にも伝わり正直怖かったです。主人公マックスは、イモータン・ジョーの捕虜で「輸血袋」という役割で車のバンパーの先で串差しのようにして捕らわれているんです。いやー、人間丸ごと輸血袋という設定とか、どこからこんな発想が生まれるんだろ。途中主人公のマックスが仲間になって、妊婦の女性が車に轢かれ死んでしまった時の、イモータン・ジョーの怒りの表情は最高でした。文句なしの5点で劇場で観てホントに良かった。見終わった後、興奮しすぎたのか頭が痛くなってしまいました。あと無性にSEXがしたくなりました。