[コメント] サンドラの週末(2014/ベルギー=仏=伊)
自分がそうだったらどうだろう、とかいわゆる身につまされる話である。こういう映画を見る人は今幸せな人に違いない、と薄々僕は思ってはいたが、そんなつまらない思いを吹っ飛ばす快作でありました。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
二日間の休みの間に同僚たち一人一人に「お金を諦めて私を助けてください」と言い回る話である。病気で休職していたからこそ、休み中に同僚に無理をさせていたお詫びもないまま、虫のいい説得を続ける女性の話である。
だから彼女も途中でもうやめようやめようと思ってしまう。発破をかけてくれる夫とはいえ、4か月も愛のない生活を送っている。仕事も気になるが、自分の愛の問題も多少気になる彼女である。
でもそんなこと言ってられない。と、だんだんやさしい夫が本当にやさしくなってくる。これぞ本当の男の優しさである。
一人一人同僚と会っていくうち、相手の人生もおのずと見えてくる。労働者たちの話だから、そんなに裕福な人たちはいない。中には臨時工の人もいる。人生の陰影がくっきり明確である。うまいねえ。リアルだ。
これが日本(映画)だったらこうはいかないだろうなあと思う。ベルギーの人たちは少なくとも映画では短絡思考ではない。
ラスト、どうなるんだろう。うまくいくと映画にならないだろうなあと思いながら、なるほどそういうラストか。ヒューマニズム。
でも彼女はこの苦しい過程で、人生で一番大切な夫と家庭を取り戻した。これ以上幸せな女性がいるだろうか、、。
感動がじわじわ後で重なってくる。秀作です。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。