[コメント] オデッセイ(2015/米)
グッド・ウィル・ハンティングからジェイソン・ボーンに至るジミー大西の非来歴性が、この話の緊張に資していない。地球での生活が想像されるような個性に欠けるため、多用される監視カメラ視点も相まって、彼を客観視するように強いられてしまう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この距離感と話の底意にある技術屋史観は、イベントの八百長性を暴露しかねない。イモがたまたまあったのではなく、彼を助けるべくイモは配置された。大西の心理への移入がこのアトラクション性を粉飾しえたと思われるが、彼の生来の非属人性がこれを許さない。このようなねじれは、膨れ上がった肉塊をまとう植物学者という造形の奇体さとして現れている。
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