[コメント] シン・ゴジラ(2016/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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シン・ゴジラ シネスケレビューを読む前に劇場で観れて本当によかったと思った映画でした(笑)。
---以下 観てない人は読まないで(笑)---
大量の台詞や字幕からは、この物語の「真意」を受け取ることはとても難しかったのですが、映像と音響楽曲それとストーリー展開からは、それが力強く表現されていて圧倒されました。
マスク姿で逃げる人々。切迫した状況下を把握せず怪獣を撮影している人。何かを求めているかのような要求しているかのようなゴジラの逆手。まるで泣き叫ぶように首を振りながらのゴジラの遠吠え。モノラル音源であるにもかかわらず重要な拘りとして使用したであろう伊福部音楽。鷺巣詩郎氏の新作曲「Who will know」とその歌詞。 そして 最初の教授の乗っていた船と遺品数点、最後の尻尾の人骨らしきもの。
こういった映像音響楽曲ストーリー展開から、言葉を超えて「真意」が伝わってくるんです。
劇場で観ていた私は、ゴジラの目を見ないようにスクリーンから目を背けてしまいました。ゴジラの泣き声を聞かないように意識を逸らしました。鷺巣詩郎氏の楽曲に集中しないように他の事を考えようとしました。(足でノリノリの16ビート刻んでみたりして)。劇場内でしかもSF怪獣映画で涙腺崩壊しては困ります。(むかしキングコング1977版の劇場内、号泣する姉の横でドンビキしたので)。
強い警告を送ってくるSF作品は多いです。1954年のゴジラもそうだと思います。
でもこのシン・ゴジラは、警告というのとは少し違っていて、観客と一体となって祈りのようなものを力強く放つ作品のように感じました。
その「祈り」なのですが、未来への希望を祈った「祈願」にも思えるのですが、亡んでしまった過去を弔うための「鎮魂」にも感じてならないのです。
シン・ゴジラ 名作です。
因みに:あの尻尾の骸骨は「肉弾」の海に消えていった「あいつ」だと私的には確信(笑)。尻尾←コッチが本体。
●クライマックス途中のモノラル音源は、劇場客席の真ん中辺りでは気になりました。でも評価の★5は揺るぎません。
2017/02/10
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