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[コメント] トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015/米)

己の信念をとことん貫き通す生き方、というとどこかしら自己犠牲的、自己中心的な、他の全てを省みないというきらいも時にあるが、少なくとも本作のトランボにはそれがいっさい当てはまらない。
シーチキン

**ネタバレ注意**
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そのことを最も感動的に表したのが脚本家組合賞受賞のスピーチだろう。ここでトランボはブラックリストの存在がすべての人々に犠牲を強いたことを強調している。

おそらくその真意は、ブラックリストに載せられ仕事を取り上げられ、干された側にいる人たちだけでなく、リストにあるからと仕事をさせなかった人たちも含めて、ブラックリストが存在することによる犠牲者ではないかということなのだろう。

ここに彼の人間性の豊かさ、誠実さと気高さを見た思いがした。そうであるからこそ、家族を思い、仲間を思い、優れた脚本を生み出すことが出来たのではないか。

過去にもハリウッドの「赤狩り」に触れた、またそれをテーマにした映画はあったが、ここまで「赤狩り」そのものを正面から描きながら、バンバン実名がでてくる映画というのはちょっとなかったのではないか。

それだけの覚悟があっての映画なのだろうし、本作はその覚悟にふさわしい、素晴らしい映画だと思う。

ところで、B級映画の勇者・キング社長が行っていた「ゴリラのぬいぐるみをつかった映画を」っていうのは、ひょっとしてキングコングの続編とかパクリとかってことか?

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] 寒山拾得[*]

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