[コメント] 君の名は。(2016/日)
描かれる世界の美しさにこそ作品の魅力の源泉があることを認めるが、一方で、都会は過剰に都会として、田舎は過剰に田舎として描かれていることはどうにも引っかかる。
あのように都心に住み、学校帰りにカフェで高価なパンケーキを食す男子高校生も、土着の伝統神事に人生を縛られる女子高校生も、けっして一般的ではない。そうでないと、二つの世界の差異が描けなかったわけでもなかろうに。
そして、あのような大惨事を介在させないと事が語れないのか、という点もやっぱり気になってしまう。東日本大震災のメタファーだというが、都合よく借景しただけと見えなくもない。
作劇構成は鮮やか。スマホアプリや手に書いた文字やらテキストを手掛かりに二人が入れ替わっている構造が次第に明らかになっていく過程(それでいて映画的表現を損なっていない)には幸せと高揚を感じるし、だからこそ終盤に至り切なさが喚起される。
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