[コメント] マリアンヌ(2016/米)
鏡、鏡、鏡。窓を含めて圧倒的な鏡の映画。住居内の三面鏡も忘れ難いが(衝立に隠れたマリオン・コティヤールの後ろ姿、その乳房が垣間見える!)、特に自動車のバックミラーへの拘りは尋常じゃない。通常のフロントガラス上部のバックミラーだけでなく、運転席前方のダッシュボードにもバックミラーを置くという拘りようだ。
そして、本作でもロバート・ゼメキス+ドン・バージェスの仕事は、最も幸福なデジタル技術の活用と云えるのではないだろうか。その達成は何と云っても、砂嵐が叩きつける自動車の場面だろう。カメラは車内のブラッド・ピットとコティヤールの周りを回りながらジャンプカットで繋がれ、最後には車内からリア・ウィンドウをすり抜け、自動車の俯瞰へ移動するのだ。
ただし、ラスト前、飛行場のシーンにおけるクライマックスの後、車中の赤ん坊にパンニングするのはどうか。その後の回想場面もやり過ぎじゃないか。これはそういう映画だと分かっちゃいるが、私の好みで云えば甘過ぎる。
とは云え、全体にゼメキス+バージェスの充実ぶりを堪能することができる、画面の快楽に溢れた傑作だ。
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