[コメント] 神様メール(2015/ベルギー=仏=ルクセンブルク)
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こういうケレン味たっぷりの演出は嫌いじゃないんですが、観ていて気持ちのスイッチが入らなかったというのが正直な感想。 だって、ずっと他人事なんだもん。
要するに「暇を持て余した神々の遊び」というか親子喧嘩の結果、人類に混乱をもたらし、主人公が救うのは使徒候補の6人だけなんですよ。 それも全員が全員「ボーイ・ミーツ・ガール」という至って単純なもの。いやまあ、カトリーヌ・ドヌーヴの相手は人間じゃありませんが。『マックス・モナムール』かっ!シャーロット・ランプリングのお相手がチンパンジーならドヌーヴはゴリラくらいじゃないといけないね。それは納得(<納得したのかよ)。
だいたいさあ、「神の箱庭遊び」を覆して世界を変えるのは“人間”じゃないと、ドラマとして成り立たないと思うんだけど? この映画、何がしたかったんだろう? “聖書いぢり”としてももの足りない。『ドグマ』とか『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』みたいな毒がないと。
主人公の女の子の「心の音楽が分かる」という設定もさして有効でなく、彼女が集めている“涙”は一切物語として使用されない。箱庭の中の人々も暴動を起こすでもなく、至って冷静に悲観するばかり。いやまあ、陽気な不死身君はいるがね。 この映画には“人間”が存在しない。
もっとも、ジャン=クロード・ヴァン・ダムがベルギーの国民的英雄ってことはよく分かったよ。「お前、日本人のくせに寅さん知らねえのかよ!」的なことでしょ?
(16.09.03 ユジク阿佐ヶ谷にて鑑賞)
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