[コメント] 午後8時の訪問者(2016/ベルギー=仏)
後悔に対する向き合い方を、見る者に問いかけ同調を求める。もはや言葉も不要。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
彼女の真摯な思いと行動が、観ているこちらの気持ちと同化する。
ドキュメントさながら抑制された描写でストーリーは進んでいく。 淡々と描かれる分、最後の抱擁は感動を生む。 彼女の思いも浄化されて欲しいと切に願った。
映画とは少し離れるが、日本とはこうもコミュニケーションの取り方が違うものかと思い知らされた。 会話は常に単調でストレートで余計な装飾も媚びへつらいも一切ない。 恐らく多言語国家が抱える歴史や社会事情がそうさせたのではないか。 逆にその分、言葉と言葉の間に感じるストレートな人間の感情が浮き彫りになる。 会話の中での余計な駆け引きはなしだ。
真逆の日本では言葉の裏を取ったり、最近はやりの「忖度」など、 言葉では現れない相手の気持ちを推し量ったりできないと上手く立ち行かない。
この違いが映画の表現にも顕著に表れて異なる文化が育まれる。
あと、ワッフルもサンドウィッチもコーヒーも勧められたらすべて断らなかった(笑) 彼女の個性かもしれないが、これも国民性の違いを表しているのでは。
後悔に対する向き合い方を、見る者に問いかけ同調を求める。
すばらしい映画体験。
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