ハレルソン演じる先生を含めて、周りにいる人間が誰も気の利いた言葉を発しない。青春映画にあってよさそうな名言などまったくない。

とはいえ現実はそんなもので、他人にはそれぞれ自分の人生があって、突き詰めれば悩み苦しい時をひとりで切り抜けるしかない。

まさにそれを全身で体現していたヘイリー・スタインフェルドから目が離せなかった。

加えて脇を固めるキャラクター達の、人間味を感じさせながらも一定の距離感をもって描かれる様子に、この映画独特の個性を感じた。

が、やっぱり何かしら心にグッとくるセリフくらいは欲しかった気がしてしまう。そんなもので簡単に人生は変わらないとはいえ、鑑賞者として求めてしまうのは安直だろうか。

★3.5