コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] スペシャリスト(1994/米)

70年代のアメリカ映画からまったく進歩していないアクション映画だが、スタローンとストーンの唯一無二のタレント性に圧倒された。アタマ(理屈)を凌駕する肉の魅力は決して侮ることはできない。
shiono

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今世紀の映画ならリアリティを要求してダメ出しの嵐となろうが、なんといっても主演がスタローンとストーンなのだ。ここは劇画的なハッタリを効かせた演出を笑って楽しむべきである。彼らのシャワーシーンは照れを微塵も感じさせず、そのプロフェッショナリズムに感動すら覚えてしまう。その上で、グラマラスな肉体に甘んじることなく受身のポジションを崩さないストーンが、終始かわいらしい女性に見えるのもうまい。彼女はファム・ファタールではなく、スタローンに纏わりつく猫のごとく、ペットのように振舞うという、そこがよいのだ。

スタローンの側からすれば、電話だけで繋がっているストーンへの、無視することのできない感情の自覚が出発点であるから、これは一種の純愛といってもよい。その盲目性を裏打ちするのはなんだろうと思うと、それは他でもないスタローンの筋肉バカ的な肉体であるし、その対象であるストーンに目をやるとこれもまた肉のエロティシズムがムンムンと香ってくるという具合。両者脂の乗り切ったハリウッドの一流だから、イロモノを越えた凄みがある。細かな演出の妙もあって飽きさせない、秀作のジャンル映画であった。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)煽尼采 kiona けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。