コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 不審者(1951/米)

クレジット前のアバンタイトル、最初のカットは窓寄りカット。窓の向こうはバスルームでヒロインのイヴリン・キースがタオルを巻いた姿で登場し、窓外(観客側)を見て驚いた表情をし、カーテンを下す。そこにタイトル。
ゑぎ

 タイトル開けで、通報を受けて到着した警官、ヴァン・ヘフリンジョン・マクスウェルが、邸を捜査する場面となる。このシーケンス中、バスルーム内から窓外を撮ったカットがあり、へフリンの顔が突然現れるのだ(庭側の足跡を探してたのだ)。このカット挿入は、かなり象徴的な演出であり、あゝヘフリンがタイトルロールなのだ、と直感させる。というか、タイトルロールとの同一性を思わせるのだ。結局、この冒頭の不審者(真のタイトルロール)がお話にどう絡むかは、書かないでおこう。

 さて、全体的に何とも複雑な感情が沸き起こる犯罪映画だ。プロット展開の予想が全くつかない。筋書は複雑ではないが、複数の感情が立ち上がる。ラストは納得性のないものだが、緊迫感だけは最強度だ。この帰結には唖然とする。

 ラスベガスのモーテルのシーンで、屋外(道路)からのノイズ(バイクやトラックの走行音)が強調される演出や、ラスト近くのゴーストタウンの場面で、ヘフリンとキースが夕日を見ようと散歩している時、突然、ラジオの声が聞こて来て驚愕する演出等、音の使い方も抜群に上手い。

#本作もメジャーのマークは出ない。「Horizon Pictures」と出る。

#キースの夫はラジオ・パーソナリティだが、この声の主はダルトン・トランボとのこと。耳に残る、ねちっこい喋り。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)袋のうさぎ[*] ぽんしゅう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。