[コメント] KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016/米)
「西洋からみた日本」の美しい風景、それと人形の細かな動きと躍動感が素晴らしい。だが、リアリティとは何だろうか、とか考えてしまった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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背景の処理やライティングの演出、カメラアングルと連動したアクション。従来のストップモーションアニメでは考えられないリアリティのある表現だった。だが、個人的にはCGでなく人形であった理由は何だろうかを考えてしまった。表情の細かな動きなども3Dプリンタでマスクを何種類も作ってあくまでコマ撮りにこだわったようだけど、でもそのように動きがなめらかであればあるほど、そして背景の波や吹雪の表現には盛られたCGを見れば見るほど、だったらそのままCGでもいいのでは? と思ってしまったのだ。
こういう考え方はいらない考えなのかも知れないが、わざわざ手間をかけて人形でやるなら、CGには出せない人形の良さを、人形であることの効果をもっと出して欲しかった。たとえば人形の凄みみたいなのは、止まっているのにじっと見つめていると「これはそのうち動き出すんでないか」みたいな感覚に襲われることがある。でもCGの静止画をじっと見ててもそういうことはないだろう。あえて動きをつけないことで、人形が本来もっている「魂」のようなもの、ストップモーションアニメでしか獲得できないリアリティを引き出すことができたらもっと良かったように思う。
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