[コメント] 半世界(2019/日)
一見、いくら田舎とはいえ40前のやつらにしてはアナログ過ぎないかと思ったりもするが、映画としてはこのアナログ感がよいということを阪本順治はわかっている。そこが堪らない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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物語は2人の男が斜面を登るところから始まるが、これを機にカメラは上下左右とあらゆる視点で物事を捉えていく。それはまるでその一面だけが世界ではないのだと語っているかのようだ。また扉が決まって引き戸であるところも、ドアでは出ない感情の乗り移り感があって面白い。
また面白いといえば渋川清彦や長谷川博己が自由奔放に画面を支配するのも面白いと思ったし、役者としてはこの2人に到底かなわぬ稲垣吾郎の魅力を、俳優として今が旬の池脇千鶴の助力を借りて見せてしまう見せ方、さらには倒木の際のクレーンによる収集作業の様子や出棺の際の天気雨に至るまで、アナログな仕掛けによる魅力的な画面が本作には溢れている。
そういう意味ではこの映画、過去を振り返った阪本順治の反省会作品のようでもあるな。ダジャレではないけれど。
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