[コメント] ラストムービー(1971/米)
無邪気な殺し合いごっこと金にあかした享楽をペルーの山村に持ち込む撮影隊。それはかつてこの地を植民地化したスペインを、同時代的にはベトナムに介入したアメリカを想起する。この三重構造を武器にハリウッドメジャーに楯つくヒッピー監督D・ホッパーの矜持。
カンヌ新人監督賞という「記号」を冠せられ、商業映画システムの渦中に身を置いたデニス・ホッパーは、唯一頼りの“LOVE&PEACE”精神で無意識下に湧き出す嫌悪に抗うが、いかんせん時代の気分にしか過ぎない“LOVE&PEACE”は脆弱で、酒とコカイン幻想のなかを迷走し、ついに映画は確信犯的破綻による結末なき結末をもって自爆する。
根拠なき“強がり”と必然としての破綻。創作者の在り方として嫌いじゃない。
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