前半に出て来る砂漠と岩山の惑星パサーナが、もろ西部劇的風景で、この星のシーンが一番いいと思った。凧。宇宙船の残骸。シスの短剣。カイロ・レンが砂漠の向こうに見え、レイと対決する。この演出は、なかなか迫力ある。

　続いて、東ヨーロッパの街並みのような、山岳惑星キジミでの夜の雪の場面。ポーの古い女友達・ゾーリ・ブリスが登場する。このキャラクターもちょっと面白い造型で、ケリー・ラッセルが演じているようだが、彼女が全く顔出ししないのは可哀想だ。

　中盤でハン・ソロとルークも登場する。ハン・ソロには泣きそうになるが、ルークが出ると、みすぼらしくて、テンションが下がる。

　前２作で、レイがろくな修行もせずにフォースを身につけるってことが、私には、作劇上の瑕疵のように感じられたのだが、なんだ遺伝だったのか、と納得。だが、この解答はイヤらしい。ただし、カイロ・レンも含めて、能力は遺伝するが、正邪は遺伝ではなく各個の選択、という帰結ではある。

　終わってみると、本作のファーストビリング（クレジットの順番）通り、今三作は、レイの物語であると共に、レイア・オーガナの物語だった、という側面が強く意識させられた。（キャリー・フィッシャーの急逝がなければ、また違っていたように思うが。）