[コメント] 9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019/仏=ベルギー)
クライマックスからは「あっ」と驚く展開が連続し、「おおおっ」と声が出そうな程に驚いてしまった。近年のミステリーの中では最上の部類だと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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一言で言えばミスリードに長けたミステリーということなのだろうが、そのこと自体にしばらくは気がつかないほどうまい。
やや込み入ってはいるが、人を人とも思わぬ金と権力の亡者を思いっきりへこます展開は、すかっとして心地よい。
特に、犯人の部屋までたどり着いたローズマリーの最後の台詞は、本作の核心をなすものではないだろうか。
本作は「ダヴィンチ・コード」シリーズの翻訳に関する実話、流出を防ぐために翻訳家を一堂に集め、地下室に隔離したというエピソードに基づくものらしいが、本作の展開を見るとその実話に対する強烈な反感が見てとれて、その分、爽快さに絶妙な味わいが生まれている。
そしてこの意味で本作は、観るにあたって大雑把なプロット、原稿流出のために外部から隔離された場所に翻訳家が集められたにもかかわらず、原稿を手に入れた何者かが、金をよこせと脅迫するというくらいのプロットを知っていて観ると、なおいっそう面白く観れるという、非常に珍しいミステリーとも言えると思う。
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