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[コメント] BLUE ブルー(2020/日)

役者は皆とても素晴らしいが、東出昌大は他人と並ぶとデカすぎる。189cmは阿部寛と同じタッパで諏訪魔より1cmデカい。階級は何なのだ。そら強いよ。プロレス来いよ。
ペンクロフ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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明らかにパンチドランカーの東出を止めないボケ女、ホント何ひとつわかってない。白木葉子の爪の垢でも煎じて飲むべし。寝込みを襲ってハンマーで拳を砕くべきなのだ。阿部定ならそれくらいやってた。マツケンの「ずっとお前が負けること祈ってたよ」は、ボケ女への血を吐くような愛の告白だ。しかしボケ女はキョトンとして「殴られすぎた?」。ボクサーの恋人を献身的に支え続ける美人のヒロイン、そいつがこれほどなんにもわかってない。わかってないまま結婚しちゃう。いやでもこれが世間的には拳闘に理解ある奥さんなんだよな。かつてどんな拳闘映画も描かなかったこのやたらリアルな残酷。監督、これ身に覚えがあるんじゃないですかね。いやー、しかしそうそう、こんなもんなんだよな。ボケっと生きてるカタギには、生きるか死ぬかやってる人間の気持ちは見えないものだ。ボクサー同士は誤解なくわかりあう。東出はマツケンの思いを理解してるし、ノート1冊読めば思考トレースも簡単だ。カタギの嬢ちゃんにそこを察してくれ汲んでくれってのは、やっぱり無理な要求なんだよな。でもこの断絶を映画で描くのはたいへんな根性がいると思います。

監督の経験を生かした極めて写実的な拳闘映画なのだが、ひとりだけやたらフィクション度が高いと思ったのがジムの会長だ。誰がどう見ても明らかに壊れている東出を、こいつも止めない。恐ろしいのは、苦しいジム経営のためにどうしても東出にベルトを獲ってほしい、みたいな事情を匂わせるジジイ同士の会話。これは怖い。東出を止めるべき立場の会長が、成功のために東出を壊そうとしている。こんな倫理ブッ壊れ会長、ホントにいるのだろうか。フィクションくさいと思いつつ、この会長がまた妙に生々しい顔をしてるんだよな。監督のボクシング「界」への複雑な愛憎が垣間見える部分で、映画の背骨を太くしていると感じた。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] ペペロンチーノ[*] シーチキン[*]

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