つかみはバッチリ、という映画だ。あとは、全体にスモールワールドな、復讐因果話になってしまっており、前作のヤクザの抗争モチベーション、あるいは、純粋に、都市伝説ファブルを倒すというモチベーションと比べても、話のスケール感は小さくなってしまったと思う。それに、終盤（仮説足場シーンの後）は、かなり冗長に思う。平手友梨奈の泣き顔が何度もフラッシュバックされたり、それ以外の平手の過去の情景もフラッシュバックで挿入される部分。あるいは、堤真一の造型も醜悪というか、底が浅くなってしまった。

　あと、アクションシーンでは、木村文乃が安藤政信と対決するダイニングキッチンのシーンも素敵。木村は本作でも安定の存在感だ。それに対して、山本美月は、ほゞ添え物で、重要なプロット（スリルを醸成するような場面）にはほとんど絡まない。また、最初の猫舌ネタのシーン、平手の入れたコーヒーを飲む岡田には笑った。佐藤二朗が岡田の過去を推測する場面にも。そうそう、本作でも、エンドロール後にオマケのシーンあります（こんなシーン要らんと思いますが）。