[コメント] MINAMATA -ミナマタ-(2020/米=英)
水俣病という日本人こそが知るべき公害の実態が、これで伝わったのだろうか? ☆3.5点。
この映画を観る上での私の評価項目3つ。(1).水俣病という公害の実相が描けているか。(2).ユージン=スミスという写真家とその仕事(作品)が描けているか。(3).映画として面白いか。
(3)を成立させるのが難しそうで、そもそも映画化し辛い内容なのだが、製作・公開した事は評価したい。
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どんな事件でもいずれは風化する。被害者がまだ苦しみ、関係者・加害者がまだ居る中でも社会は忘れていく。そうした中でも、社会にとって重大な出来事は、記録・記憶されなければならない。社会科等の教科書に記し、学校で教えるという事はそういう事だと思うのだが、日本の教育では「何があったのか」が全く伝えられていない。原爆被爆、4大公害病、AIDs薬害…、名称や結果のみを伝えるのではなく、何でそうなったのか、どう苦しんだのか、どう立ち上がったのか、どう改善したのか、という経過を伝えないと、生きた継承にならない。どこの誰が、まで伝えないと対岸の火事になってしまう。生きた歴史から切り離された個人は、死んだ世界に浮遊する<孤人>になってしまう。
衆議院選挙目前であるが、日本の選挙・政治がここ迄堕したのも、ここにも大きな原因があるだろう。
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