[コメント] ドント・ルック・アップ(2021/米)
それに、この映画、『博士の異常な愛情』を思い出す映画ファンも多いんじゃないでしょうか。まあ比較したら可哀想ですが、ぶっ飛びよう、という意味では、かなり、だらしない出来に終わっているとワタクシ的には思える。
例えば、彗星の軌道変更のためにスペースシャトルに乗り込むベテラン軍人−ロン・パールマンの風貌が、スリム・ピケンズ(コング少佐)を思わせる、というような部分でかなり期待したのだが、結局彼はほとんど活躍しないのだ。ラスト近くで彗星に向かって銃をぶっ放すだけって、コメディとしての器量が小さいじゃないか。
序盤で出てくるホワイトハウスの担当軍人(中将)がフリーのスナック菓子で、ぼったくる(それをいつまでもジェニファー・ローレンスがこだわっている)とか、巨大IT企業「BASH」のCEO−マーク・ライランスのキャラ造型、特にリスペクトして話しかけてくる子供を無視する場面だとか、小ネタレベルでは面白かった。
人類が狂乱する様子はほとんど割愛される。大俯瞰でビル屋上の乱交パーティが映るぐらいだ。特に、当然想定されるだろうバイオレンスシーンを描かないのは、そういうディシジョンもありと思う。しかし、エンディング(最後の時)の描き方で、皆でディナーを共にし、食後の普通の会話をしている場面、というのは、ちょっとワザとらしいと思う(食事の前にティモシー・シャラメが、主の祈りを司る、というのは良い部分ではあるが)。さらに、エンドクレジットの途中で入る、移住計画参加メンバーの顛末や、エンドロール後のオマケもつまらない。こんなオマケは、本当に要らないと思う。
#レオナルド・ディカプリオとローレンスとシャラメが、ミシガンへ向かう車中のシーンで、ミルス・ブラザーズの「Till Then」がかかり、ディカプリオが解説する。こゝが一番良かった。
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