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[コメント] 青春の殺人者(1976/日)

男も女も老いも若きも、皆白いパンツを穿いていた、あの、時代。親子・恋人・友達、どこまでも、「関係」が、追ってくる、でも、どこまでも、一人称な映画。そういうのいつもつくる人、長谷川
はしぼそがらす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







(エンドロール見て)「えっ!地井武男出てた?」(しばしの沈黙後、夫婦で顔を見合わせて)「…どこに?!」…

…濃いです、この、映画。(その辺、ちょい役でもネオンサインで「桃井夜露死苦!」と頭上に表示してあるかのような、桃井かおりの存在感は流石です)

前半なんて、もうホラー。これ以上ないくらいのホラー。震え上がりました。今後死ぬにあたっても刺殺だけは絶対勘弁してってくらいに。親の気持ちも子の気持ちも何となくわかる微妙な年齢で観たこともあり、水谷市原の心情の揺れ動きに振り回されてクラクラ来ました。

後半は、「取り返しのつかなさ」が好きです。アイスクリーム売りのシーンなんて、「孝行のしたいときに親は無し」ってのもここまで強烈にやられると、いきなり映画観るの中断して実家に電話かけて「産んでくれて育ててくれて感謝してるよ」とかあらぬことを口走りたくなります。

そして、親と子の関係、男と女の関係、大人と子どもの関係、常にそんな「関係」を描写し続けながら、親・恋人・恋人の親とその友達・客・警察官、ひとりひとりの登場人物に生き生きとした生命を吹き込み続けながら、あくまでも水谷豊の一人称で進んでいく話、これこそがタイトルにつく「青春」という言葉の意味なのではないかと思ったりする次第です。

ともあれ、将来男の子が生まれたときに「ジュン」と名づける気をかなり消失する映画でした。ちなみに、女の子が生まれても「ホタル」と名づける気はさらさらありません。念のため。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)TOMIMORI[*] けにろん[*] ボイス母[*] 水那岐[*]

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