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[コメント] コーラスライン(1985/米)

踊りとは上達するとパターンの組み合わせになっていくのは確かだけど、あんな複雑な順番を一回で覚えて披露させ、それに採点がつけられるという凄さ、厳しさ。物語そのものより肉体の躍動感や美しさを観る映画。実際、物語と言えるほどの内容はない。
tkcrows

DVDで再見。冒頭の15分は本当に何回観ても飽きない。ストーリーがそこにあるわけではなく、単純に肉体の動きの美しさだけですべてを物語っているから。

ダンスだけは若さには敵わない。いくら動きが練れたとしても、瞬発力だけは20代前半をピークにゆるりと下り坂を描く。本当に一瞬の輝きを見てもらいたくて彼らは何回もオーディションに通う。たとえ仕事にありつけたとしても、ほんの数年のちには確実に次の若者にとって変られる。それでもダンスをしたくてたまらない者たち。

物語ではダンスの基本はバレエであることを如実に語られる。つまりダンスをする者は「バレエを経験していてあたりまえ」なのだ。昨今もてはやされているヒップホップやブレイク系のダンスは基礎がいらない為、どうにも我々にはかっこよくは見えても上っ面に感じて仕方ないのだ。実際、伸びやかな動きはそれには期待できず、神経は常に身体の中心にしか集中しない。この手足の指一本一本にまで神経が行き届いたダンスを見せたい。難なく地面から垂直にまっすぐ上がる足を見せたい。鍛錬とは、好きだということは人間をここまでさせることを知ってもらいたい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] シーチキン[*] KADAGIO[*]

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