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[コメント] 告発の行方(1988/米)

相手がどうであれレイプが許されるわけがない、それを前提の上で別の観点から。
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自分はよく映画の登場人物に置き換えて、自分だったらどうするかと考えることがある。この映画が公開されたころは、野次馬をも告訴した点が画期的だったと色々なところで書かれていた記憶がある。

最初は楽しそうなことをやってるなぐらいで見ていた行為がエスカレートしていく。止めなきゃいけない、頭ではわかってはいても行動できないのが人間の弱さ。この映画ではケネス・ジョイスがそうだ。友達との関係も大事にしたい(しかし積極的に悪いことをしているというよりも友達関係を壊したくだけのようにも見える)。でも自分なりの倫理は持っている。だからこそ我慢できなくて電話をかけに行ったし、証言もした。ある意味彼の存在がこの映画の弱さでもあるのかもしれないが、正直言うとあの青年の弱さに一番感情移入した。最後に彼の証言で真相が語られていく展開も悪くない。そう思ってみると、判決後に彼が見せる笑顔がやけに印象的だった。

ジョディについても一言。同じ年に知る人ぞ知るジョディの魅力が最大限に発揮された(と勝手に思っている)『君がいた夏』も公開された。それを見た後だったから衝撃度も大きかったが、彼女にとって女優としての転換期だった年であったことは間違いないと思う。

しかしジョディは上手い。彼女がサラを演じたからこそ、一生拭い去れない傷を負った人間の苦悩が説得力を持って伝わってくる。逆のキャスティングだったら意外性はあるが、これだけのリアリティは出せやしまい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)ボビチタ kiona[*] Linus[*] ダリア[*] あさのしんじ[*] kazby KADAGIO[*] ガブリエルアン・カットグラ

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