[コメント] 神田川淫乱戦争(1983/日)
青い夜空をバックにフルートを吹く青年。ドリーで前に出るカット。この洗練さには、今見ても驚かされる。あと、撮影で唸らされるのは、麻生うさぎと浪人生とその母親の、川の中での乱闘シーンだ。長い横移動ショット。瓜生敏彦は、どうして日本映画の現場を離れてしまったのだろう。
失礼ながら、主演女優の麻生うさぎは、普段の顔は全然美人ではないと思うのだが、喘いでいるときの顔がチャーミングなので、ポイントが高い。美野真琴との悪ふざけのシーンも可愛いのだ(二人とも可愛い)。
麻生が窓から色々なもの(煙草、ウィスキーボトル、望遠鏡など)を捨てることが、コメディパートであり、ラストへ繋げる重要な演出でもあるのだが、エンディングの屋上シーンに至っては、コメディというよりも不条理劇になってしまう。これには、ちょっと青臭いとも思う。とは云え、今見てもとても面白い!
#備忘
・麻生うさぎの恋人役の森太津也は、後のドキュメンタリー作家の森達也。また、若き周防正行がマンションの管理人役で登場。彼はセカンド助監督でもある。ちなみに、チーフが水谷俊之、サードが塩田明彦。さらに、美術は万田邦敏。
・ラスト直前までボカシが出ないし、静物などで局部を隠す演出をしない。終盤の二人が全裸になる場面では、しっかり前貼りが映っているカットもある。このあたりの対応は、ちょっとルーズだと思う。
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