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[コメント] シザーハンズ(1990/米)

fairy tale の結末は納得がいかないものの方がよい。その方が人を考えさせるから。
Walden

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「・・・仲良く暮しましたとさ、めでたしめでたし」というのも悪くないが、個人的にはこういう結末の方が好きだ。なぜなら、納得のいかない(「結局、あいつは不幸なまんまじゃん」)気持ちから、妙な不快感が残り、そしてその不快感が自分にこの物語の意味を考えさせるから。

このシネスケの諸々のコメントを見てもわかるように、みんなこのお話からいろんな意味を紡ぎだしている。「ハサミ」は何を意味するのか、周りの人間の反応は自分たちと比べてどうなのか、何が本当にエドワードにとって幸せだったのか・・・etc.。寓話とは、かくあるべきだと思う。どれが正しいとかじゃなくて。

それにしても、ティム・バートンは画面の作り方が上手だ。いかにも絵本(あるときはコミック)の中から飛び出てきたような違和感バリバリの風景を、いつの間にかそれらしく観客にすりこんでしまい、さらにその世界観あってこその物語を描く。好き嫌いが別れるかもしれないけれど、僕は好きだなあ。『スリーピー・ホロウ』でもその手腕は発揮されている。

"Hold me." "I can't."

こんなに短くて切ないセリフも久々に聞いた。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ダリア[*] 緑雨[*]

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