[コメント] 噂の女(1954/日)
井筒屋の屋内シーンで見事な縦構図演出が随所にある。カメラは動かないが、この空間演出はダイナミックだ。また能・狂言の観劇シーンで田中絹代が大谷友右衛門と久我美子の会話を物陰から聞くシーンがとてもいい。田中を映した長い間がたまらない。そしてこのラストの転調。いやはや溝口ってやっぱり格好いい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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久我美子は膝下丈のスカート姿。この人はこういう服がよく似合います。久我は東京の大学に行っていた設定なので関西弁を殆ど喋らない。これもキャラクタリゼーション戦略だろうが、ちょっとずるい気もする。対して田中絹代の京都弁は完璧に聞こえる。田中絹代はどの映画を見てもその素晴らしさを再認識する。
#久我が死んだ太夫(薄雲)の妹に「そんなイージーな」と云う科白がある。
#ラストの太夫の科白。「あてらのようなもの、いつになったらなくなるんやろ。あとからあとからできてくるんやな。」
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