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[コメント] 2001年宇宙の旅(1968/米=英)

眠くなるだけでダメな映画だとは思いませんが、あまり良くない睡魔もあります。
ぽんしゅう

「人類の夜明け」の章(ここだけで50分位あるでしょうか)は、時間と空間の中に“権力と暴力と支配”という人間のエッセンスを配し、それが生み出した文明の縮図を象徴的に見せてくれます。

「木星探検計画」の章。HALとのやり取りは面白いのですが、眠いのは船外作業と作業員救出シーンの20分間。この極力音を排除したシーンでは、宇宙船の造形に頼るだけで無音を補うだけの映画的な工夫が何もされておらずまったく退屈です。あえて狙ってそうしたのであれば、狙いは失敗だったということでしょう。

「木星と無限の彼方」は、60年代当時のアメリカン・ポップアートとヨーロッパではやっていたスクエアな画作りのキューブリック流の表現ということだと思うのですが、さしたる新鮮さは感じませんでした。

2時間20分もフィルムを費やしたわりには、後半になればなるほど消化不良を起こしてイマイチかなというところです。

〔以下は、邪推かもしれませんが・・・〕

68年に日本で公開されたときは、大宣伝でヒットしたぶん難解(退屈)さもあって賛否両論だったような記憶があります。その後、74年にMGM日本支社が閉鎖され国内での上映ルートが途絶えてしまいます。レンタルビデオなんて、まだ無かった時代。この一件で日本ではもう観る事の出来ない幻の名画として徐々に評価が高まり、80年頃のリバイバル上映の時には異様に評価が上がっていました。この映画には、ブームが作り出したバブルな評価が余分にくっついているように思えてなりません。

(評価:★3)

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