[コメント] ゴジラｖｓビオランテ(1989/日)
復活ゴジラの映像をバックに始まるＯＰから、シーンはそのまま廃墟と化した新宿へ移る。自衛隊化学班が採取していたのは「ゴジラ細胞」。ところがそれを狙っていたのは何も日本だけではなかった……というところから話が始まる。あの復活編の“続き”として、導入部分でいろいろと付箋を貼っている点は悪くない。唐突に「ゴジラには２匹目がいた！」とした『ゴジラの逆襲』よりずっと親切だと思うが、どうか。
本作が何を言わんとしていたかに関しては「あらすじ」の方に書いたので、ここでは他に気になったところについて。やはり気になるのはスーパーＸ�供帖弔箸いい燭い箸海蹐世�、ここはすぎやまこういちの音楽を推したい。あのスーパーＸ�兇陵両綏涎眄錣癲∋瓩硫山擇撚篩垣垢蠑紊�っている。ゴジラが大阪に上陸した際、抗核バクテリアを取り返した峰岸徹がバズーカ片手に向かっていくシーンの音楽なんぞ、自分にとっては名曲である。以前これのサントラＣＤを注文しようとしたはいいが、廃盤になっていたと知った時にかなり悔しがっていたのを思い出す。
そして本作ではシリーズを支えたエスパー・三枝さん（小高恵美）が初登場。この頃はまだ不思議な雰囲気の漂う少女、という感じだったが、いつの間にかゴジラセンサーのような人になってしまった。どうも平成ゴジラシリーズは、一度出したものを応用するという手法が下手らしい。彼女に限らずビオランテにしてもそうで、これの胞子が宇宙へ飛んでいってスペースゴジラになってしまうというのはいくらなんでも無理矢理である。
まあ本作は、８４年の復活版ゴジラを応用しかつ発展させたという点では上手くいっている。自衛隊の兵器は本物だし、メーサー光線車も現代風のデザインで復活させてくれた。作戦準備の風景で伊福部昭の「怪獣大戦争マーチ」が演奏されるが、これは演出というよりは案外大森一樹監督のお気に入りなのかもしれない。本作がまるで平成ゴジラシリーズ堕落の兆候のように見られているが、個人的には堕落が始まったのはもっと後だと思う。しかも急速に。ここではどの作品かということは書かないが、まあ察して欲しい（文中にその怪獣の名前が登場してします）。
……そういえば、この映画を自分も含めた家族四人で観に行った時、観終わった後はみんな口をそろえて「ビオランテが気持ち悪い」と言ってた気がする。東宝怪獣映画史上、最も気持ち悪い怪獣・ビオランテ。ピアノ線総数２０本は史上最大だそうである。操演スタッフの皆さん、ご苦労様でした。
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