[コメント] 米(1957/日)
不幸話を笑い飛ばしてしまう根性がまだ芽吹かない、不毛で荒れて疲れ果てた体を支えに一所懸命に生きる人間の生活営みの描写が心に染みいる。不幸の連鎖の中にも人間としての方向性を必死に確保する人々の顔が活き活きとしていたのを見逃すことはまずできない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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文句なしに良い映画だったのだけど、「凄い」とか「最高」とかを感想で使いたくない、使いづらい映画だったような印象を受ける。それつまり、「自分の言葉を使わなければいけない」を感じたから。受けた衝撃を受けた衝撃以上に感想を述べることの難しさを知らされた映画だった。
そして、ラストの葬列はボディーブローのようにジワジワと痛みを堪能できるから、手強く、安易に飛び込めない突き放した雰囲気がたまらなく愛おしい。
母の苦悩が子に継がれてなおも、その苦悩は子を苦しめるのだろうか。女の運命の手綱が握られていた駆けつけた男の手に期待を感じざるを得ない。
2003/4/30
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