[コメント] 飢餓海峡(1965/日)
しっとりとしたそれでいて壮絶な人間ドラマ。その合間に終戦後の赤線廃止までの日本の庶民の生活もしっかりと描かれている。この辺りは原作の匂うぐらいの人間くささがストレートに反映されており素晴らしい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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問題はやはり高倉健でしょうか。こんなに青臭い演技をしていたんですね。彼の役回りは彼のせいでもないけれど、彼の出現で、この映画のカラーが見事悪い方に変わってしまったことも事実。
まあ、それはさておき、映画的には花家で犬飼と八重が女郎屋で一時の運命的な邂逅のシーンが絶品。左幸子の代表作ではないか、と思う。
三国連太郎、伴淳三郎ももちろんいいが、ラストはあまりにあっけない。ちょっと演出力に疑問。
映画的緊張感がずっとあるので、3時間強の長さはまったく感じなかった。名作であることの証拠でしょう。
やはりこんな世知辛いご時勢、小さな愛を一生の宝にまで消火させる深さは本当に尊い。
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