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[コメント] 直撃!地獄拳(1974/日)

「科学は万能ではない。絶えず訂正されていく仮説じゃ。忍法は仮説ではない。日々絶えざる鍛錬によって会得したる、超人的能力と不屈の精神の確立じゃ」。甲賀の爺さんの名台詞。深い。出来上がった映画より遥かに深い。
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 冒頭のこの台詞を聞いて、かなり深い格闘哲学を展開してくれるのかと思ったんですけどね。その後に進んでいった方向が全然違った。ていうか明後日の方向にばく進してくれました。方向はおかしいがその勢いは買います。

 ストーリーはというと、全体的に「頭の悪い大人向けの童話」みたいな感じで大変好ましい。「バカで下品だけど強い」郷[金英]治なんて、正にそれを代表するような魅力的なキャラクターだと思います。また主人公たち三人が最後まで仲が悪いというのも、まるでルパン三世と峰不二子の関係のようで良いです。要は「劇画」なんですよね。

 中でも屈指の名シーンは、津川雅彦が「皆様にショーをお見せしよう」と金髪女性を丸裸にして四つん這いにさせた後、「皆様にお見せするショーとは、こんなつまらないものではない」と千葉真一を連れてくるところ。恐らく当時の観客も全員心の中で「えぇっ!?じゃあその全裸四つん這いは何!?」と叫んだと思われます。何か知らん、金髪もモソモソ立ち上がってきちゃうし。

 まぁ結局この辺りのおふざけやダルダルが許されるのも、西城正三倉田保昭など、“本物のアクション”ができる男たちがしっかり頑張ってくれてたからなんでしょうけどね。あ、当然千葉真一も“本物のアクション”なんでしょうけど、やっぱりこの人の空手は何かおかしいと思います。王様は裸だ!

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ペンクロフ[*] 荒馬大介[*] べーたん

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