[コメント] 肉体の冠(1952/仏)
ドアや窓の内外を異空間として演出する術に監督の才能の有り無しが如実に現れるのだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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良いシーンは沢山あるが、なんといっても川辺で横になるセルジュ・レジアニと小船でやってくるシモーヌ・シニョレのシーンは吃驚仰天するくらい艶めかしい演出だ。レジアニの大工職人としての作業場のドアと窓も良いですよ。ドアや窓の内外を異空間として演出する術に監督の才能の有り無しが如実に現れるのだ。川辺(水)やドアや窓の映画的な使い方といった部分はベッケルがジャン・ルノワールの弟子であることを痛感する。
『現金に手を出すな』でジャンヌ・モローがビンタをくらうシーンも相当痛いシーンだったが、この映画のシニョレが張り手でぶん殴られるシーンの方が上だろう。殴り倒される様が見事です。またこの映画ではレジアニがシニョレにビンタされるシーンもあり、映画で人を殴る演出っていうのはこういうものなのだと感心させられる。
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