[コメント] ジョーズ(1975/米)
観客をやきもきさせるその手法。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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元々動物パニック物はそれほど好きじゃない。だから『鳥』もヒッチ映画の中ではそれほどお気に入りじゃない。署長と市長の対立もありがち。
しかし迫り来る恐怖としての見せ方の上手さは認める。
冒頭サメに襲われる女性のシーン。それはやけにあっけない。次に襲う際にはカメラがサメの目線になり、その輪郭が少し見えてくる。カメラ=殺人鬼(ジョーズのテーマ曲の素晴らしさはいまさら言うまでもない)。それは例えば『13日の金曜日』のようにホラー映画としては常套手段。それでも姿を現さないサメに観客もいらだつ。そして1時間してやっとサメの鰭が見えたと思ったら子供の悪戯、で安心したかと思ったら今度は本当のサメが現れる。でもやはり全貌は現してくれない。引っ張るだけ引っ張ってくれる。
サメは海に入らなければ怖くない。それが基本。避けられる危険には切羽詰った感じがしないのにもかかわらず緊張感を持続させてくれるのは、あえてサメの姿を後半まで見せなかったからに他ならない。それは普通恐怖の対象を画面狭しと見せまくる手法を逆手に取った大胆な発想の勝利だ。
このように前半から中盤に掛けてが面白い分、三人がサメ退治に行ってからの後半が少しだれてしまうのが惜しいところだ。ようやく姿を見せたサメも、姿を見せることで神通力を失ったって感じだしね。
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