[コメント] 激突!(1971/米)
抽象化されたものはディテールが忘れ去られても記憶に残るというお手本。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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最後、タンクローリーからようやく逃れた男が、少しだけ淋しげに見えた。自分を追いつめてくるものがある時、その時はどこにも逃げ場がなくて苦痛でしかなくても、いざそれが消えると、わびしいような淋しいような気持になることはあると思う。恐怖や苦痛も快楽の一部となりうるのではないだろうか。男がすぐに立ち去らないことからは色々なことが読みとれると思う。
運転手が最後まで顔を見せない点、あまりにも唐突で意外性のないラスト、はじめて観たときは拍子抜けした。だが最近、これはとても抽象的な映画だということを感じるようになった。主人公は名前があったかどうか覚えていないが、「ある男」としか呼びようがないし、恐怖というものはいつもどんな仮面をかぶって襲ってくるか分からない。ディテールは忘れ去られても、記憶に強く残る映画。
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