[コメント] フェノミナン(1996/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
そんなにすごくもない、フェノミナン。 誰でもやろうと思えばできそうな、フェノミナン。
超能力満載のストーリーだと思っていたので、それが私のうれしい誤算だった。不思議な光をみて特殊な力がついた後、彼がしたことは、図書館へ行って本をたくさん読むこと。それが彼に知識を持たせただけで、急に頭が良くなったり、たくさんのアイディアが湧き出るようになったのは、超能力とはちがう。「集中力がつき、思考がはっきりした」から、本の内容がすらすら頭に入っただけ。確かに光をみただけで突然そうなっちゃうのはおかしいけど、その不思議な力のおかげで、人間の中にある可能性を彼は十分に引き出すことができた。まさに「誰でもやろうと思えばできそうなこと」。
タイトルとパッケージから、完全にSFXの世界を想像していたので、不思議な能力がついたジョージが、大学に行って自分の可能性をもっともっと引き出したい、その力でもっとみんなの役に立ちたいと嬉しそうに語るシーンを見て、「なんじゃジョージ、そんな力がありながら、大学に行くのが願いなのか!チキショウやられた!」と思った。
確かに、「それってどうなの」っていうシーンもたくさんあった。例えば、少年を見つけだしてしまうシーンは神がかり的で話とそぐわないし、全編を通して全く合ってない音楽も不愉快だったし(特にシェリル・クロウ)、やけに物わかりのいい人ばっかりだったし、最後ジョージの満面の笑顔の写真で終わるのも古典的だし、ベタベタの泣かせシーンも随所に見られたし、ストーリーも穴だらけだった。
本当ならケチつけまくりのはずだけど、それ以上に私の心を動かしたシーンがあったから…
イライラしていたジョージが、ふと木々が風になびいているのを見て、目をつむって一緒にゆらゆらと揺れ始めるシーン。あれって、最後、レイスが赤ちゃんを眠らせるためにゆらゆら揺れるシーンと、つながってたのかな。そしてジョージが死んで、涙が溢れそうになった時、やはり木々がゆらゆら揺れるのを見て、もう泣かなかったレイス。
完全にやられてしまった。負けっぱなし、泣きっぱなし。トラボルタの優しい演技が、最後まで私の心を掴んで離さなかった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (7 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。