[コメント] ガタカ(1997/米)
今回も「身分」を盗られてしまうのか,彼は・・・。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
これは正統SFです。人間生命の悲哀を未来の空想科学の上に描くのがSFなのだとしたら,これは『ブレードランナー』の後に続く正統SF映画と言っていいでしょう。
兄弟の物語とジェローム-ヴィンセントの物語が全く噛み合わずに描かれているところがイイ。統一テーマは「運命など,ない」
飽くまで足を引っ張ろうとする弟佳し。それを正面からはね除けたトコトン無謀な兄,これも又佳し。常に死を身に添わせて生きる主人公二人。夢を糧に死を抑制する正主人公に心を動かされ、彼に夢を託す副主人公。その自殺を知りつつ正主人公がそれを止めないことに,複雑な感動を禁じ得ない。
ジュード=ロウの魅力を分析。彼の美貌は遠目に見るには寧ろ敬遠したくなるが,彼の首周りの華奢さ加減から来るエロチズムが,彼を顔貌以上の美男子に仕上げている。また,彼は自分の特徴を良く理解して演技を抑制している。苦痛を裡に秘めつつ上目遣いに鋭く視線を放つのが彼の得意技だが,その誠実な演技が臭さと言うより役柄の性善性と見做されてしまうのが,彼の真の強みなのである。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (5 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。