[コメント] 愛を乞うひと(1998/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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虐待される子供たちは、皆母親に愛されたいと思っていたのだろうか…。
私の母は厳しい人だった。普段は優しいのに、何か悪いことをしたりすると、何か捕り付かれたかのように、手を挙げた。
原田美枝子が手を挙げている様子は、母と重なった。
そんな激しい母の性格を、幼い頃は怨み、「私は本当の子供ではないのではないだろうか」とさえ思っていた。
普通のお母さんが欲しい。優しい普通のお母さんが…。
学生の頃、良く当たると評判の占い師に、就職の事を見てもらったことがある。 その時、「あなたは、お母さんの強い愛情に導かれています。だから、帰郷しなさい」
最初信じられなくて、「父のではないですか?」と聞き返した。 彼女は自信たっぷりに「お母さんです」
その時、まだ優しい父にしか愛情を感じなかったのだ。
しかし、月日が経ち、母の厳しさの中の強い愛情が分かるようになってきた。必死に私たちを育てた母の強さを身にしみて感じるようになれた。子供の我が侭に屈しなかった母へ今はとても感謝している。
けれど、こんな風に思えるようになったのも、母が私に普段は優しかったからだった。
主人公は、たった一回「髪すくの上手ね」と誉められただけだったのに、なぜ母に愛されたいと思ったのだろうか?
私には到底理解できない。
母になっても女としてのエゴを捨て切れない女。
実の子供にさえ、嫉妬してしまう女の醜さ。
男なしでは生きていけない、弱さ。
こんな女になぜ愛されたいと願うのか?私には共感できない。けれど、そんな女にだけはなりたくないと心から思う。
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