[コメント] カンゾー先生(1998/日)
ウィルス(肝炎)流行の映画な訳だが、患者がほとんど苦しそうでないのがまずいけないだろう。柄本明の医者が駆け回っているばかりで、彼がヌケ作にしか見えない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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90年代は篠田とか黒木とか、戦中派の監督がボケて好き勝手な戦争体験を撮りまくった時代だったが、本作もその一本。わざわざ設定をかえて広島の原爆のキノコ雲を肝炎の肝臓に見立ているが、これは一体何なのだろう。ボケているとしか思われない。
唐十郎は魅力なし。世良公則のほうが印象に残るが、モルヒネ奪取に軍倉庫に突撃してそれが反戦だろうかよく判らない。柄本にしてからが、軍は嫌いだが白人はアジアで横暴だと告白し、天皇の軍隊の軍医にしろと入隊を申し出るこの戦中派に、我々は特に希望を見出せない。
股間に卵入れられる麻生久美子の温泉ストリップみたいなギャグは山本晋也好みだなあと見ていたら、当人が出てきたのでびっくりした。彼が竹槍訓練を指導してお婆さんが失敗するショットが笑えた。クジラの収束はどうとでも深読みできるが、老大家の気まぐれをあれこれ解釈しても詮無かろう。
柄本は麻生に岡山出張の手紙を見せるが、麻生のような人は字が読めただろうか。あと、役場にわざわざ土木課、会計課と札をぶら下げているのに、そこで医療切符を発行しているのはいかにもおかしい。こういうのはあり得ない手落ちだと思う。チフス休業で旅館に収入がないと弱っている松坂慶子が辛うじてコロナ禍とWる。
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