[コメント] カラー・オブ・ハート(1998/米)
色の付く瞬間。それは映画の中だけのことではない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
人生の岐路に立っていたとき、将来を思い描くと不安しかなく、すべてがマイナスの方向でしか考えられなくなっていた。
思い描く将来は誰かに依存することでしかなく、一本足の案山子でさえ自分でちゃんと立っているのに、私ときたら誰かに頼ることばかり。すべてが宙ぶらりんで不安で仕方がないのに、将来の決断から目を背け、叶わぬ夢ばかり思い描いていた日々、私はソコにいるのにソコにいなかったのだ。
そんなある日、人生の転機を迎えた。
何年も前から漠然と進みたい道があった。けれど、状況から無理だと最初から諦めていた事が実現出来るチャンスが巡ってきたのだ!「開けた!!!」その瞬間、あれほどまで重かった体がふわっと軽くなり、すべてが明るくなった。何をしても気持ちが入らない日々が嘘のように、やる気と喜びが戻ってきたのだった。
私は確かにその瞬間、自分で立ったのだ。
空の蒼さが清々しく、色も匂いも戻ってきたような気がした。私の世界にカラーが戻ってきた。
この映画では、「モノクロの世界に色が付く」という分かりやすい方法で、登場人物が変わる瞬間を描いている。作品を観た当時には、その趣向が面白いとだけ思っていたのだが、目の前がぱっと明るくなる日を経験した今では、この作品がもっと深く素晴らしいものとなった。
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