さすがヒッチコック！見事な演出です。他の部屋での出来事を写す際でも、全てジェフの部屋からの視点にこだわるのには感心だ。流れもつぼを押さえてる。設定や主人公らの状況説明を前半でしっかりやり(少し蛇足な部分もあるが)、向かいの男を疑う過程も、一度勘違いだと思わせておいて、再度話を盛り上げる。山の作り方が非常に巧い。後半の30分は気づいたら終わりになってたというくらい集中させられた。向かいの男がジェフの部屋に入ってくるシーンの緊張感と言ったら！！！

　でも、ひとつ。そこに重要性はないのかもしれないが、オチが異様に不鮮明。結局、殺人犯だったのか勘違いだったのか、どうもわかりずらいのは自分だけなのかなぁ？両足ともギブスになったラストのカットは微笑ましいですが。とはいっても、そこに至るまでの面白さを考えると、オチのみで評価を下げるには至りませんが。

　あと、グレース･ケリー。美しいです･･･