[コメント] スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス(1999/米)
こんな痛々しい映画が未だ嘗てあったろうか?
この映画は引き付けない。CG技術は素晴らしいかもしれない。宇宙人の造形だって大したものだ。だがエピソード4・5・6の方が遥に面白い。これ程までに「映画は技術のみでない」という事が比較できる映画もそうない。今見ると、前までのスタウォの技術はお粗末に感じる。宇宙の壮大さも感じられないし、技術面で見ればあまり満足はできない。しかし技術だけの映画ならすぐに色褪せる。だが、スタウォは色褪せない。それはスタウォ好きではなく、リアルタイムで見る事ができなかった私にだって判る。主役の演技が微妙だって、姫がブスだって、古い映像の中にあるフォース。それがどれ程の人間に夢を与え、楽しませた事か
このエピソード1とかいう映画はどうだ?技術に溺れた退屈な映像。伝説とまでになったスタウォが自分自身で自分を貶めている。『スターウォーズ』という名前がある限り、この映画は伝説の一部となるだろう。しかしそれがなければこれはその時代のSF娯楽大作としてだけの価値しかない。そこまでつまらなくもないが、それがまた悲しい。エピソード1は過去の遺物だ。スタウォの裏話は知らない。ルーカス監督がどう思って作ったのかも知らない。しかしこれだけ見ての率直な印象は「ベイダーの人気が出ちゃったから作ってみました」という感じにしか見えない。事実がどうあれだ。
今の時代で『ロード・オブ・ザ・リング』がCGだけでなく雄大な自然を使う事で、そのリアリティが人々の心の中でリアルになりえる事を証明した。『ハリーポッター』が子供達に夢を与え魔法をかけた。原作付きの映画と比べてしまうのは少し筋違いとも思うが、しかしこれらの映画が確実にスタウォを“伝説”から“ただの大作”にした。他映画も既にスタウォを恐れてはいない。
これからエピソード2も始まるが、技術が進み、製作者がそれに溺れる程、この映画は当然無機質となり、伝説は灰となる事は容易に想像できる。ここまで来たら最後まで見るが、なかなかに辛いところだ。エピソードシリーズが終わったら、もうこの映画は作らない方がいい。ここまで映画を続けたルーカス監督には敬意を表するが、興行収入に関係なくスタウォの時代は終わってしまった。この映画にフォースはない。暗黒面に覆われてすらいない。フォースは「ない」のだ。★2なのは単にユアンと曲が好きだからだ。ウィリアムスの曲だって既にハリーの方が印象が強いけどね…
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