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[コメント] オープン・ユア・アイズ(1997/仏=スペイン)

小動物のような瞳のペネロペ・クルスにメロメロのデレデレ・・・なのは置いといて、名前からして偉そうな監督アレハンドロ・アメナバール(!)の卓越した小手先テクニックが作り出す「俺だけの小宇宙」。

前半はちょっとタルかったが、全編にわたるカタルシス不在のクールなストーリー・テリングに、監督アレハンドロ・アメナバールの底知れぬ血の冷たさを感じた。そして、人肌を感じさせないその冷たさが良い。

だいだい、こういう「夢と現実の錯乱モノ」って、『トータルリコール』や『マトリックス』そして押井守のアニメなんかも含めて、「脳内妄想映画」独特の暑苦しさが鬱陶しかったりする(逆にそれが良かったりもする)。しかし。この映画はいたってクール、ひたすら小手先のテクニックだけで迫る。「小手先のテクニック」なんて言うとけなしてるみたいに聞えるけど、この場合は褒め言葉。「小手先のテクニック」ゆえに登場人物の人間描写もかなり類型的だと思うが、この監督にしてみればそんなもの最初から描く気なんてなかっただけのことだろう。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)埴猪口[*] ざいあす[*] ことは[*] chilidog[*] ボイス母[*]

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