[コメント] 気狂いピエロ(1965/仏)
見方を誤ると時間を損する。
哲学的な作品というよりは美術的な作品というべきだろう。
脚本は非常に単純。彼らがしている事は問いかけではなく逃避。逃げられる限り逃げるというそういう生き方の肯定であり、否定でもある。フランス的な皮肉が全開しているという、ただそれだけで、彼らはそれをやるに当たって、不必要に極端な格好をつけているにすぎない。
注目すべきは脚本よりも色彩の使い方や唐突な場面展開の妙である。決して難しく捉える必要はなく、また作り手もそれを意図しているわけではない。
ゴダールの映画は難しいに違いないという先入観を捨て、虚心坦懐に見たほうがいい。そうしなければ解けない知恵の輪に挑んでいるような気分になり、作品を楽しめない。
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